018 出ていないのに出窓?

018 出ていないのに出窓?

018 出ていないのに出窓?

住む人を幸せにする「外断熱」。
これまで紹介してきた様々なメリットの他にも、外断熱には“ちょっとした幸せ”が隠されています。
今回のかわら版は、そんな“外断熱のちょっとした幸せ”にスポットを当ててみました。

 

まず、写真@をご覧ください。これは、701号室の窓を写したものです。

 

「出窓」になっているのがお分かりいただけるかと思います。その幅、なんと25cm!
シェーンバウムは、701号室に限らず、全ての部屋の窓がこのような「出窓」になっています。
部屋に奥行き感を与えると同時に、ちょっとしたものを置くのに重宝するスペースです。

 

次に写真Aをご覧ください。
これは、写真@の窓を外側から写した写真です。なにかお気付きになりませんか?

 

………???
外から見ると、窓…、出っ張っていないですよね?

 

普通、出窓と言うと外から見ても出っ張っているのが当たり前。
部屋の内側にそれだけのスペースをつくるのですから、どうしてもその分は外側にせり出すことになります。

 

なぜ、シェーンバウムの出窓は外に出っ張っていないのか。
「壁が厚いから?」
その答は、半分アタリで半分ハズレです。
考えてみてください。コンクリートの厚さを謳っている分譲マンションが、全部出窓になっているわけではありません。
「でていない出窓」の謎を解く鍵は、シェーンバウムが採用した「EV外断熱」方式にあります。

出ていない出窓のヒミツ

ここで、「EV外断熱」の構造をおさらいしておきましょう。

 

 

図1は、かわら版「008」でもご紹介した、外断熱の断面図です。
部屋の内側から見て、内装材→コンクリート→断熱材→金具(=通気層)→外装材となっています。
(この断面図の実物の写真は、かわら版「009」でご覧になれます)
この図は単純に壁の部分の略図ですが、それでは窓の部分はどうなっているのでしょうか。

 

 

図2をご覧ください。図1の外断熱の基本的な構造の中に、窓部分をはめ込んだものです。
注目していただきたいのが、窓枠の位置です。

 

通常の内断熱では、窓枠はコンクリート部分にはめ込まれます。
そのため、いくらコンクリートが厚いといっても、出窓のようなスペースは生まれません。
例えば、25cm幅の出窓を確保するためには、窓枠の厚みが5cmとして、30cmもの厚さが必要になります。
現実的に、そんなに厚い壁を持つマンションは日本に存在しません。

 

それに対し、EV外断熱にはめ込まれる窓枠は、コンクリートの上ではなく、通気層を兼ねている金具のところに固定されています。
部屋の内側から見ると、窓にいたるまでにコンクリートと125mmの断熱材の分の厚さがあります。
その厚さこそが、「でていない出窓」の秘密なのです。

「外断熱」が出窓を作り出す!

逆に言えば、その構造上、EV外断熱で建てられた建物は、強制的(?)に出窓になってしまうということです。ですから、全ての部屋の窓が出窓となっているのです。
実は、ベランダに出るための掃き出し窓も同じことで、出窓のように目立ちませんが、このサッシも通常の内断熱マンションより25cmほど外側に設置されています。これは、そのまま部屋の有効面積が広いことを意味します。

 

また、見方を変えれば、この図2は、かわら版にも度々登場する「樹脂サッシ&Low-Eガラス」の性能の高さの証明でもあります。
コンクリートも断熱材もない開口部を支える「樹脂サッシ&Low-Eガラス」。
彼らの働きなしでは、外断熱はその性能を発揮することはできません。
普段はその遮音性の高さで内見者の皆さんを驚かせている彼らですが、断熱面での働きも見逃すことはできません。

 

竣工した今では完全に外装材に覆われ、その姿を見ることができない断熱材。
しかし、外断熱の主役とも言える断熱材は、こんなところでその厚さを主張していました。
「でていない出窓」は、竣工した後も建物がすっぽり断熱材で覆われていることをうかがい知ることのできる数少ない場所と言えるでしょう。

 

観葉植物を置くも良し。リモコンなどのなくなりやすいものを置くも良し。もちろん、何も置かずに奥行き感を堪能してもOK!
外断熱の“ちょっとした幸せ”=強制的な「出窓」をぜひ楽しんでください。

 

(2007/07/07 文責:佐野)