009 写真でみる外断熱の工程

009 写真でみる外断熱の工程

009 写真でみる外断熱の工程

建築用語で、屋根の一番上の部材である棟木を取り付けることを「上棟」といいます。
棟木というところからも分かるように、元々は木造家屋の建築に使われていた言葉ですが、現在では鉄筋コンクリートの建物に対しても使われ、屋上までコンクリートを流し込んだ時点を指します。
大きな意味で「建物の骨組みが出来上がること」と捉えれば良いようです。

 

去る2006年10月24日、シェーンバウムも無事に上棟を迎えました。
今回のかわら版では、上棟を“勝手に”記念して現在のシェーンバウムの姿を写真で見ていただきたいと思います。
(撮影日:2006/11/01)

 

 

まずは、写真@です。
これは国道17号を挟んで交差点の対角線上から見た姿です。方角で言うと西からとなります。
現時点では建物の周りに足場を組んで、その上から青い覆いをしている状態です。
9階のコンクリートは流し込んだばかりですが、下の階では内装工事・外装工事が着々と進んでいます。

日当たりの良さを証明!

 

続いて、写真ABをご覧ください。写真Aは国道を挟んで向かい側から撮影した写真です。
以前ご紹介した(※かわら版「004」参照)奈良建設の看板は今も健在(笑)。
写真で工事車両が止まっている場所が駐車場になる予定です。

 

南側から撮ったのが写真Bです。
隣接しているのがホンダプリモの駐車場のため、空間が充分にあいています。
ご覧ください、この日当たりの良さ! 太陽の恩恵をたっぷり受けられます。

東側と北側は…

 

国道から離れて建物の裏側に回ってきました。
東側から撮ったのが写真C、北側から撮ったのが写真Dです。隣の建売り住宅との関係がお分かりいただけると思います。
残念ながら205号室はバルコニーと隣家との間にあまり距離がありませんが、
隣家のほうには窓がなく、お互いの視線が気になるようなことはありません。

外断熱のヒミツ 「グラスウール」

さあ、いよいよ覆いの中に入ってみましょう。
ここで皆さんにショッキングな(?)写真をご覧いただきたいと思います。

 

 

どうですか、このピンクの壁!
写真Eは5階ルーフバルコニーの外壁部分を写したものです。
「ま、まさか、ピンクのマンション…!? こんな建物に住めるわけないじゃない…」と思われた方、どうぞご安心を。
実際には、このピンクの上から外装材をかぶせて完成イメージ図に近づけています。
写真Fは2階外壁部分を撮影したものです。
奥のほうからベージュの外装材をかぶせている様子がお分かりいただけると思います。

 

「それでは、このピンクはなんなんだ?」
といいますと、このピンクの物体こそ、外断熱を外断熱たらしめる「断熱材」=「グラスウール」なのです。
これまで図や文章でご説明してきた外断熱。今回のかわら版では、遂に写真でご覧いただけます。

グラスウール貼付け作業

 

写真Gはグラスウールをつけている途中の写真です。
コンクリート→グラスウール→金具(外装材を取り付けるためのもの)という構造がはっきりと分かります。

 

まず注目していただきたいのが、グラスウールの厚みです。
通常の内断熱マンションの断熱材は、発泡ウレタンの吹きつけが一般的ですが、その厚みは20mm〜30mmがほとんどです。
それに対し、シェーンバウムのグラスウールは125mm!
材質の違いはあるにしろ(断熱材としてそれぞれ長所短所ありますが)、この厚みの差がもたらす結果は歴然です。
もっとも、コンクリートの内側に125mmもの断熱材をつけたら、部屋が狭くなってしょうがありませんが(笑)。

 

もう一つ確認していただきたいのが、前回のかわら版でお話した通気層です。
グラスウールの上に縦に走る銀色の金具にご注目ください。
これは外装材を取り付けるためのものであると同時に、通気層を作り出すためのものでもあります。
この金属の厚みの分だけ外装材と断熱材の間に隙間ができ、それが通気層になるのです。

 

写真Hを見て、どこかで見たことあるような気がしませんでしたか?
この写真の金具の部分を通気層と考え、その金具の上に外装材が取り付けられたと想像してください。
そうです、前回のかわら版「008」で外断熱を説明した図、そのままですよね。
それにしても、すごいグラスウールの厚みです(笑)。

Before → After

 

最後は、この2枚の写真を見比べてください。
写真Iは6階南側のバルコニー部分。写真Jは5階の同じ場所です。
5階はすでに断熱材がはりこんであるのに対して、6階はまだコンクリートがむき出しの状態です。
こうして同じ場所を比べてみると、グラスウールがどのようにはりこまれたがよく分かると思います。
そうそう、写真の手前に見えるガッシリとした樹脂サッシの枠にも、こっそり注目してください(笑)。
(※樹脂サッシに関しては、前回のかわら版「008」をご参照ください)

 

よく外断熱を表現する時に、「建物を断熱材でスッポリ包む」とか「建物に断熱材というコートを着せる」などと言いますが、この写真を見るとその表現がさらに説得力を持ってきます。

 

外断熱の細かい理屈を知らない人でも、目の前に分厚いグラスウールを見せられると「普通の建物とはなにか違うな」と感じるようです。
そう考えると、外装材を全部張り込んでグラスウールが見えなくなってしまうのはちょっともったいないような気がします。
よし! それじゃあ、いっそ外装材を張るのをやめて、
入居者の皆さんにはピンクのマンションに住んでいただ……くわけにはいきませんね。
すいません、冗談です(笑)。

 

(2006/11/20 文責:佐野)