“外断熱は建設費が高い!”
「外断熱とは」のページでご説明した、日本に外断熱が普及しない最大の理由です。
(もちろん理由はこれだけではありませんが)
一般的に内断熱から1割〜2割は高いと言われる外断熱。
建物をグルッと囲む断熱材等の材料費もさることながら、建物の外側に断熱材を張り込んでいく作業は、どうしても工期の長期化を招き、そのことがコストにも影響しています。
と、ここまでお話ししたところで、こう思われた方はいらっしゃらないでしょうか。
「外断熱がいいのは分かった。でも、なぜシェーンバウムはわざわざ建設費の高い外断熱で建てたんだ?
外断熱だからといって、高い家賃をとれるわけでもないのに。」
さらに意地悪な言い方をすれば…、
「借主に快適な暮らしを提供するために、自分が損をしようというオーナーがいるはずがない。きっと、ウラがあるに違いない。」
そう思われた方……、実にスルドイ、ご明察です。
実は、外断熱には“外断熱のメリット”ではお話ししなかった、「第6のメリット」とでもいうべき利点があるのです。
そしてそれは、建て主にとって実に大きなメリットなのです。
街を歩いていると、コンクリートの外壁にヒビがはいっている建物を見かけることがあります。
古いものも多いですが、中には比較的新しいと思われる建物も混ざっています。
「耐震偽装」のマンションなどは問題外として、あのコンクリートのヒビは何が原因なのでしょうか?
答は、「コンクリートの膨張収縮」です。
真夏の日差しを直接受けたコンクリートは、熱を持ち膨張します。逆に、真冬の冷気にさらされたコンクリートは、冷やされ収縮します。
何年もこうした膨張収縮を繰り返すことにより、躯体(くたい=建物の骨組み)は傷み、遂にはヒビが入ります。
さらには、そのヒビから雨が流れ込み、中の鉄筋をさびつかせ強度を奪っていきます。
そこで、外断熱です。
躯体そのものがスッポリと断熱材で覆われた外断熱にとって、熱による「コンクリートの膨張収縮」は縁のない話です。
そしてこの状態でこそ、鉄筋コンクリートはその本来の耐久性を発揮します。
日本では30年ぐらいが寿命とされる鉄筋コンクリートの建物も、外断熱が常識の欧米諸国では築100年以上が当たり前です。
「従来の3倍以上の耐久性」。
建て主にとってこれほど大きな魅力もありません。
いかがでしょうか。
高い建設費を出してでも、シェーンバウムを外断熱で建てた理由がお分かりいただけたでしょうか。
この外断熱の耐久性のお話は、ご自分で家を持つ時にも役に立つと思います。
例えば、30年ローンで分譲マンションを買っても、ローンを払い終わったときには躯体がボロボロという状態では意味がありません。
また、自分の土地に家を建てる時も従来の木造にこだわるのではなく、敢えて鉄筋コンクリートの外断熱にする例も増えてきています。
つまり…、
・賃貸マンションに住むなら、シェーンバウム。
・分譲マンションを買うなら、康和地所。
・自分で家を建てるなら、奈良建設。
スイマセン、最後にちょっとだけ宣伝でした(笑)。
(2006/08/25 文責:佐野)