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2019/07/19 空室情報をUPしました!


022 外断熱を知るオススメ書籍

私が「外断熱」という言葉に出会ったのは、2004年の春。
一冊の不動産経営書がきっかけでした。

 

あれから4年経ち、今ではいろいろなところでこの言葉を聞くようになりました。
特に、ある住宅メーカーが「外断熱」という言葉を前面に出した広告をうったのが大きいようで、
「外断熱」の意味は知らなくても、“なんとなくいいもの”として認識している方も多いようです。

 

そこで今回のかわら版では、「外断熱」をより深く理解するための本をご紹介したいと思います。

外断熱の扉を開いた歴史的な本

@日本のマンションにひそむ史上最大のミステーク
共著:赤池 学・金谷 年展・江本 央/出版社:TBSブリタニカ/発行年月:1999年07月

 

なんと言っても「外断熱」という言葉を世に知らしめたのがこの本。
1999年の発行当時、建設業界に大きな一石を投じた一冊です。

 

この本の中心人物となっているのが、故 江本央(えもと なかば)氏。
シェーンバウムも採用した「EV外断熱」を考案した人物です。
「EV外断熱」とは、簡単に言ってしまえば、欧州で育った外断熱を日本向けにアレンジしたもの。
欧州と日本では、気候はもちろん、耐震・耐火に対する考え方がまったく違うので、そのまま欧州の外断熱工法を持ち込むことはできません。
そこで日本の建築基準でも建てられるように考え出されたのが「EV外断熱」です。
現在、日本で建てられている外断熱の多くがこの工法を採用しており、その意味でも、江本氏は「日本の外断熱の父」と呼べるような存在です。
この本には、江本氏が研究し実践してきた外断熱の歩みが記されています。
これまで外断熱の存在すら知らなかった人には、まさ衝撃的な内容になっています。
しかしながら、そのあまりに衝撃的な内容ゆえに、読む人によっては「本当だろうか?」と懐疑的に思う読者もいるようで、これには文章の書かれ方も関係していると思います。

 

まず一つは、三人の共著にもかかわらず、「私」という一人称が多用されていること。
これによって、個人の主張なのか客観的な事実なのかの線引きが曖昧で、非常に意地の悪い見方をすれば、「自分の都合のよい方向へ話を持っていこうとしている」という印象を持たれかねません。
二つ目は、日本で内断熱が普及した理由を「関係者(特に行政)が無知だったから」と単純化している点。
関係者を始め社会全体の外断熱に対する理解が低かったのは確かでしょうが、さすがに「無知」だけの理由でこれだけ内断熱が広まるわけはなく、普及するにはそれなりの理由があったはずです。
その理由に言及せず関係者をバカにするような記述は、読んでいてもあまり気持ちのいいものではありません。

 

極端なことを言えば、自分の主張を通すために相手を卑下する手法は、あまりやりすぎると新興宗教の教祖様のソレと似通ってきます。
この本を読んで懐疑的な感想を持った人は、文章から敏感にそのことを感じ取ったのかも知れません。

 

今の私には、この本で語られる外断熱が正しいことを知っています。
ただ、上で述べた理由から、この本が出た当時ならともかく、外断熱の本が複数出版されている現在では、
二冊目・三冊目に読んだほうが、冷静にその内容と向かい合えるような気がします。

 

「原点に帰る一冊」と言ったところでしょうか。


ドキュメンタリー作家の冷静な視点が光る

A外断熱は日本のマンションをどこまで変えるか
著:山岡 淳一郎/出版社:日本実業出版社/発行年月:2002年11月

 

江本氏の情熱が(良くも悪くも)あふれ出た「史上最大のミステーク」とは対照的にドキュメンタリー作家である山岡氏が、独特の冷静な視点から外断熱に迫ったのがこの本です。
ちなみに、私が始めて外断熱に触れた一冊でもあります。

 

前述の江本氏はもちろん、このサイトではおなじみの康和地所の方々も登場するこの作品。
日本における外断熱の歴史を追いながら、盲目的に内断熱マンションを建て続ける日本の現状に警鐘をならす内容になっています。

 

内容的には「史上最大のミステーク」とかぶるところもありますが、ドキュメンタリーという手法をとっているため客観的な描写が多く、外断熱初心者にも読みやすい本と言えるでしょう。

 

余談その1…初めて康和地所の石川さん(=シェーンバウムのコンサルティング担当)とお会いする時には、「あの本の、しかも冒頭に登場していた人だぁ」とちょっと緊張しました。
実際に会ったご本人は、文中の印象よりもずっと物腰の柔らかい人でしたが(笑)。

 

さて、著者である山岡氏、この本を執筆してすっかり外断熱の良さを目覚めたのか、現在はご自宅を建て直して外断熱の家に住まわれています。
「外断熱は日本のマンションをどこまで変えるか」を書かれた当時はまだ理屈で書いているところも多く、もちろん間違った描写ではないものの、既に外断熱に住んでいる方の実感とは微妙なズレがあったのではないかと思います。
実際にご自身が外断熱に数年住まわれてどんな経験をされたのか。山岡氏の次回作に期待大です!

 

余談その2…山岡氏のご自宅の施工は、何を隠そう(別に隠していませんが)シェーンバウムと同じ奈良建設! 現場監督も同じく田代所長だったりします。そのため、山岡氏のご自宅のお話を伺う機会も多く、私としては、山岡氏に一方的な親近感を抱いていたりします(笑)。


マンション購入を考えている方に読んでいただきたい一冊

B「外断熱」からはじまるマンション選び!
著:堀内 正純/出版社:現代書林/発行年月:2005年07月

 

三冊目にご紹介するのは、堀内正純氏が書かれた本です。
堀内氏は、前述の江本氏のもとでお仕事をされていた方で、「外断熱を日本中に広めたい」という大いなる使命感から江本氏の会社を辞めて、「特定非営利活動法人 外断熱推進会議EiPC」を立ち上げた人物です。
堀内氏が会社を辞めてNPO法人を立ち上げるまで経緯は、山岡氏の「外断熱は日本のマンションをどこまで変えるか」にも詳しく書かれています。

 

この本の最大の特徴は、ターゲットとしている読者層がハッキリしていることです。
というのも、前述の2冊が広く世間一般への問題提起であったのに対し、この本は「これからマンションを買おうとしている人たち」をターゲットにしています。
分類としてはマンション購入指南書と言えるかも知れません。
そのため、内断熱マンションを必要以上に攻撃することもなく、柔らかい語り口で外断熱の良さが語られています。
「立地・価格・設備」など、マンション購入のポイントとなる点に、もう一つ「断熱」を加えてみてはいかがですか?
堀内氏の基本スタンスはそんなところにあるようです。

 

三冊の中では一番後発ということもあって、実際に外断熱に住んでいる人からの証言が収録されているのも興味深い点です。
当たり前ですが、100人いたら100通りの住み方があって、生活のどの部分に外断熱の恩恵を感じるかも人それぞれ。
こうして実際に住んでいる人の口コミで外断熱は広がっていくんだろうなぁと改めて感じました。

 

外断熱の基本的な原理は、このサイトでもご紹介しているように、決して難しいものではありません。
原理だけを説明するのであれば、一冊の本にする必要もないぐらいです。
しかし、今回取り上げた3冊の本をお読みになれば、外断熱に対する理解が深まると同時に、その向こう側にある問題も見えてくると思います。

 

その問題とは、つまり「地球温暖化問題」。
入居者にとって快適な空間であることはもちろんですが、「私のマンションは地球にもやさしいのよ!」と入居者が胸をはって言える、そんなマンションをシェーンバウムは密かに目指しています(笑)。

 

皆さんもぜひご紹介した本をご覧になって、「外断熱」への理解を深めていただきたいと思います。

 

(2008/07/01 文責:佐野)


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