共通エントランスは、「オートロック」と「防犯カメラ」。
そして、各住居の玄関は「ディンプルキー」の「ダブルロック」。
さらには、来訪者の顔が見える「カラーモニター付きインターフォン」。
シェーンバウムのこの設備を聞いて、みなさんはどんな感想をお持ちでしょうか。
中には「やりすぎな過剰設備」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
ピッキングや破壊行為に強く、また複製することが難しいディンプルキー。そのディンプルキーの錠をドアノブの上下に二箇所つけるスタイルは、最近では建売り一戸建ての標準スタイルと言えます。
一戸建てという、言わば外にむき出しになっているドアと同じ装備を、オートロックに守られているマンションの扉につける必要があるでしょうか?
個人的な考えですが、その答は「Yes」だと思います。
もちろん、防犯に“やってやりすぎ”ということはないというのもありますが、その理由は、実は「オートロック」にあります。
一昔前は高級マンションの象徴でもあったオートロック。
侵入者を建物の中に入れないシステムは、住人に大きな安心感を与えていました。
時代が変わって現在、ほとんどの新築マンションにはオートロックが導入されています。
その間オートロックは進歩したか? 残念ながらそうとは言えないようです。
それに対し、侵入者側のオートロックをすり抜けるテクニックは、どんどん巧妙になっています。
(オートロックのすり抜け方とその対処法は次回のかわら版で特集します)
シェーンバウムは、「外断熱のメリット」の項でご説明した通り、内廊下方式を採用しているため、エントランス以外の通路や非常階段から侵入される危険性は限りなく低くなっています。
しかしながら、そのシェーンバウムにおいてもいまやオートロックは万全のシステムではありません。
極端な言い方をすれば、「ないよりはあったほうがよい」ものに過ぎないのです。
そんな状況で、一番問題になるのが「住民と侵入者の意識のズレ」です。
オートロックは、侵入者側にとっては「やり方によっては突破できる」ものですが、住民側の大半にとってはいまだに「完全に信用できる」ものであるようです。
ここ数年、都市部では敢えてオートロックマンションを狙った空き巣の被害が増えています。
なぜ、敢えてオートロックのある建物を狙うのか? その答は「ドアに鍵をかけていない部屋が多い」からだそうです。
驚いたことに、「オートロックだから…」と過信して、施錠しないまま出かけてしまう住人が多いのです。
当たり前ですが、いくら防犯設備がしっかりしていてもそれを使わなければ意味がありません。
またどんなに最新の防犯設備でも、それ一つで100%大丈夫ということもないのです。
「オートロック」×「防犯カメラ」×「ディンプルキー」×「ダブルロック」×「カラーモニター付きインターフォン」
シェーンバウムの設備は、現在ではかなり防犯性の高い組合せと言えるでしょう。
しかし何よりも大事なのは、そこに住む住人の方の「防犯意識」なのです。
そのことを忘れないでいただきたいと思います。
(2006/09/18 文責:佐野)